不幸にして交通事故に遭ってしまった場合でも、治療費支払や休業補償は通常、保険会社が対応してくれる場合がほとんどです。現在、加害者が任意保険に入っていないというケースは非常に少ないので、加害者が契約する保険会社が治療費などの対応をするのが通常なのです。
では、交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットはあるのでしょうか。
結論は「ある」、それも「大きなメリットがある」となります。
そのメリットを大きく分けると、次の7つにまとめることができます。
①相手保険会社とのやりとりを任せることができる
②通院先や通院頻度、検査やリハビリなどについての相談に対応してくれる
③治療費や休業補償の打切りに対応してくれる
④過失割合についての交渉に対応してくれる
⑤後遺障害についてのアドバイスと申請手続をしてくれる
⑥弁護士基準で示談をしてくれる(賠償金額が増加する)
⑦裁判にも対応してくれる
以下では、①~⑦を詳しく見ていきましょう。
目次
①相手保険会社とのやりとりを任せることができる
交通事故被害に遭った場合、事故直後から加害者側の保険会社と話をすることになります。保険会社は事故対応のプロですが、被害に遭った方には普通、交通事故についての専門的知識はありません。
そして、必ずしも大手の保険会社だから被害者に対して適切に対応してくれるというわけではありません。あくまで「加害者の契約する保険会社」ですから、「被害者」との間には、利害が対立する場面も少なくないのです。
また、保険会社からの連絡は平日の日中に来ることが多く、被害者の方の仕事や生活の都合上、適宜に対応できない時もあります。
ただでさえ、事故で怪我をしているところに、保険会社とのやりとりをしなければいけない手間や心労の負担は思いのほか大きいものです。
その点、治療中の段階で弁護士に依頼する場合、以後の保険会社とのやりとりはすべて弁護士が窓口となるので、被害者の方が保険会社とやりとりすることはなくなります。保険会社と直接やり取りをしなくても済むことによる精神的負担はずいぶん大きく、その点が本当に良かったと仰ってくださる依頼者は多くいらっしゃいます。
これが交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
②通院先や通院頻度、検査やリハビリなどについての相談に対応してくれる
治療中から弁護士に依頼される場合、弁護士は保険会社との窓口になりますから、治療先の病院や整骨院の連絡や変更連絡などについても、窓口となって保険会社とやりとりを行います。
その中で、依頼者の治療状況(通院先の選択やリハビリ状況、頻度など)についてもご相談に乗ることができます。整骨院治療は必ず主治医の同意を得てからでないといけないとか、症状によってはレントゲンのみならず、MRI撮影や検査をした方がよいことなど、重要な助言をさしあげることもできます。
また、主治医の診察の際には症状をよくよく伝えて、必ずカルテにきちんと記載していただくことも、とても大切なことです。
こういった相談ができるのも、治療中からご依頼いただいているからであり、弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
③治療費や休業補償の打切りに対応してくれる
特にむちうち(頚椎捻挫)や腰椎捻挫、打撲傷などの明確な外傷性所見がない症状の場合、早いときには3か月程度でも、保険会社から「他覚的所見はない怪我なので、もうそろそろ治療を終了にしてください。治療費支払を打ち切ります。」と治療の打ち切りを求められることが多々あります。
しかし、いつまでの治療が必要かつ相当かということは、保険会社が決められることではなく、あくまで主治医が患者を診察した中で「医学的に」判断されることです。
もちろん主治医とよくご相談していただきますが、まだお身体が治っていないのなら、保険会社からの治療打ち切り通告に従う必要はありません。
当事務所が交渉した結果、治療費の支払期間が数か月延びたケースも多くあります。
また、保険会社が交渉に応じず、治療費支払期間を延ばさない場合であっても、自費(健康保険使用)で通院を続けることは何ら妨げられません。
この場合、支出した自費治療費分は後に保険会社に賠償請求をすることになります。
何よりもお身体のことを考えれば、また結果的に賠償額の関係でも、無理に治療をやめるのではなく、一旦は自費(健康保険利用)負担にしてでも通院を続けた方がメリットがあることが多いのです。
このように治療費支払打ち切り通告に適切に対応できるのも、交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
④過失割合についての交渉に対応してくれる
相手保険との間で過失割合についての見解が一致せず、揉めているという場合はよくあります。
保険会社から提示された過失割合に納得できない場合も、弁護士への相談をおすすめします。弁護士はドライブレコーダー映像や実況見分調書、依頼者へのヒアリングをもとに、事故の状況を分析。依頼者の立場に立った交渉、および立証を行います。
たとえば、速度超過やわき見運転などの修正要素を調べ、適切な過失割合を主張します。また、基本割合を決める類型パターンの妥当性自体を争う場合もあります。
過失割合についての調査・検討、相手保険との交渉を任せられるのも、交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
⑤後遺障害についてのアドバイスと申請手続をしてくれる
治療したものの、残念ながら完全には治らなかった(障害が残ってしまった。痛みやしびれ、重苦しさ等が残ってしまった。)という場合、主治医に「後遺障害診断書」を作成してもらい、後遺障害等級の認定申請をすることになります。
後遺障害認定において、最も重要な資料となるのが「後遺障害診断書」なのですが、主治医による記載(レントゲンやMRI画像所見の記載、各種反射テストやしびれ部位など神経学的所見の記載、関節可動域の詳細な記載、患者の自覚症状の詳細な記載)が不十分な場合、後遺障害認定において不利に取り扱われるおそれがあります。
このような場合、後遺障害の申請の前に、後遺障害診断書の内容をチェックして不備があれば、主治医に訂正していただくようお願いすることが大切です。
また、後遺障害の申請については、相手保険会社に書類を送って任せる(事前認定手続といいます)よりも、自ら自賠責保険に申請する手続(被害者請求とか16条請求といいます)の方が良いと考えております。
このように、後遺障害申請についてのアドバイスと申請手続をしてくれることも、交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
⑥弁護士基準で示談をしてくれる(賠償金額が増加する)
治療が終了した後や後遺障害の認定後、加害者の保険会社から「賠償額のご案内」といった書面が送られてきて、そこには示談金額と慰謝料や休業損害の損害項目と内訳金額が記載されています。
注意しなければならないのは、保険会社の提示する示談金額は、多くの場合、妥当な金額とは言い難く、非常に低い金額となっていることです。
実は賠償金の算定方法には3つの基準があり、保険会社は高い基準で示談金の提案をすることはほぼありませんから、弁護士に事件を依頼するかしないかで、最終的に受け取る賠償金額に大きな差が出ることが多いのです。
損害賠償金額を決定するには以下の3つの基準があります。
① 自賠責保険基準 ② 任意保険基準 ③ 裁判基準(弁護士基準)
① 自賠責保険基準
自賠責保険とは、車を所有する際や車検の際に全ての運転手が加入・更新する必要がある強制保険です。
事故被害者に最低限の補償ができるようにと、国の方で強制的に加入させる保険ですので、保険料は低く、したがって、被害者に支払われる保険金額の基準も低くなっています。
また、自賠責保険はあくまで被害者の最低補償を目的として作られた保険であるため、人身事故による人身損害に対してのみ保険金が支払われ、物的損害には支払われません。
自賠責保険による人身損害の賠償額は、3つの基準の中で最も低くなります。
② 任意保険基準
任意保険とは、自賠責保険とは異なり加入義務はない保険のことです。
任意保険の基準というのは、各保険会社の独自の基準というもので各社各様です。自賠責保険基準を下回ることはありませんが、実は自賠責保険基準と余り変わらないことも多く、裁判所基準(弁護士基準)よりはかなり低額であることがほとんどです。
③ 裁判基準(弁護士基準)
裁判基準(弁護士基準)とは、過去の裁判例を踏まえて裁判所と弁護士会が作成した基準のことです。
裁判の基準で賠償金額を算出した場合、ほとんどの場合、自賠責保険の基準や任意保険の基準を元に計算した賠償金額よりも高額になります。
①<②<③ ですので、ほとんどの場合、弁護士に依頼することによって、賠償金額を多く獲得することができるのです。交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
⑦裁判にも対応してくれる
例えば、自賠責保険では後遺障害が認定されない(非該当)が、残った症状からしてどうしても納得できないという場合や、本来あるべき後遺障害等級よりも低い等級しか自賠責保険が認定しなくて、それに納得できないという場合、裁判所の判断を仰いで解決したいと考える場合があります(裁判所は自賠責保険の判断に拘束されません)。
また、相手保険との間で、過失割合で折り合いがつかないとか、その他の損害(休業損害など)で折り合いがつかないという場合も、裁判所での決着としなければならないこともあります。
そもそも、相手保険が事故による負傷を認めない(「こんなに軽微な衝突・接触で怪我をするはずがない」という言い分)場合も、裁判所の判断で決着とせざるを得ません。
このような裁判となる場合、さすがにご本人で対応することは困難です。
弁護士に依頼すれば、裁判に対応してくれるので、当然ながらこれは交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリットの一つです。
残念ながら、相手保険との間でどうしても示談交渉が折り合わない
〇交通事故でご家族を亡くされた方は河口法律事務所へご相談ください
ここまで交通事故を弁護士に相談し、依頼するメリット(7つ)をご説明してきました。
個々のメリットについて、より詳しくは本サイトの関連ページや解決事例などもご参照いただければ幸いです。
交通事故被害に遭われてお悩みの方はぜひ一度、ご相談なさってみてください。
